北の果て、絶海の孤島。
世界中を巻き込んだ戦争が終わって間もない「冬の時代」。
親を失い、居場所を失った子供たちが集まる“楽園”があった。
隔離された島で送る短い青春時代。
マキは親友のエシカとともにこの島の寄宿学校で日々を過ごしていた。
少しだけ退屈で、だけど平和で大切な時間。
そんなある日、島に見知らぬ男たちが現れる。
彼らはためらいもせず、マキ達に銃口を向ける。
幾度かの戦争の後、疲弊しきり膠着状態に陥った世界。
かつての科学技術は失われ、1960年代程度の水準にまで下がっている。
戦場となった地区は荒廃し、各国の国力は著しく低下した。
一時はそういった諸国を統治領化しようという動きがあったが、反対勢力による抵抗により難航している。
現在、各国の経済状況は持ち直しはじめており、街は賑わいを取り戻しつつある。
北方の海に浮かぶ1平方キロメートル程度の大きさの孤島。
戦後の混乱の中に設立されたミハイロフ慈善事業団に所有されている。
事業団が運営する寄宿学校が島の大部分を占めている。
ミハイロフ慈善事業団が設立した孤児となった少年たちのための全寮制音楽学校。
基本的には島へは一般人の立ち入りも禁止されている。
衣食住が保障され、優秀な生徒は裕福な家に養子として引き取られることから、孤児達には“楽園”と呼ばれている。